専門職の転職への責任

近年は、非正規雇用が増えていることもあり、ひとつの仕事や職場をまっとうせずに転職することが当たり前の時代になっている。
これは、比較的収入にも恵まれた医師や看護師のような職種でも、最近はやたらと転職を勧める情報のCMが目につく。
今は、医師や看護師の人材が不足している為に、病院を経営する経営者は、経営がうまくいっていても、法定的に定められた人員を確保することが難しく、その為なりふりかまわずに引き抜きを行うサイトが多い。
しかし、この様な一時的な社会現象を煽るのは、いつもTVなどを代表するマスメディアで、それがあたえる社会現象などを考えもせずに、より有利な状況を得られるかのような流行を作ってしまう。
本来、医師や看護師が国家資格として、それを有さないと業務できないようにしているのは、この職種が命の危険性も孕んだ専門職であることが理由で、免許を持つ者はより安全でミスのない行動をとる責任がある。
しかし、今でも医師の免許には医師と歯科医師のふたつしかなく、また看護師の資格は、看護師と準看護師にわかれているが、担当する診療科や行動にも、特別な差異はなく、ただ大学や看護学校における教育期間が違うというだけで、資格取得後に実践で得た経験などがあまり評価されない。
また、精神科を担当する医師が、よく精神的ストレスが理由で、他の診療科に転職をするケースが聞かれるが、大学で経験した実習から遠ざかってしまった医師が、そう簡単に専門を変えても、治療に差障りがでないものなのだろうか。
もし、そうだとしたら、何のためにこれだけ医師の資格制度を難関とさせているのだろう。